俳優チ・ジニ（48）は、2004年3月に放送が終了したMBCドラマ『宮廷女官チャングムの誓い』を通じて一躍スターダムに駆け上がった。

同作品以降、“スター俳優”として注目され始め、『春の日』、『スポットライト』、『結婚できない男』、『トンイ』、『お願い、キャプテン』、『大風水』、『暖かい一言』、『ディア・ブラッド～私の守護天使』、『愛人がいます』、『最後から二番目の恋』、『ミスティ～愛の真実～』、そして2019年の『60日、指定生存者』まで作品活動を続けてきた。

8月に放送が終了したtvNドラマ『60日、指定生存者』では、大統領権限代行パク・ムジンを演じ、データに基づいた客観的且つ論理的な思考で国民のためのリーダーとしての真の姿を披露し、視聴者の注目を集めた。2019年、再び俳優生活の地平を開いたのだった。

「人は完璧ではないですが、希望と夢、そして目標を持って生きていきますよね。僕も目標がありました。『宮廷女官チャングムの誓い』がヒットして認知度がすごく上がりましたが、僕の能力とは関係なく、反比例で人気が高まったので現実を受け止められなかったです。

人気と同じだけ人々を満足させられないというのが辛かったです。演技だけに言えることではないですが、僕が上手いからといってヒットするわけではないので、今できることに最大で、最善を尽くしてきました」

大衆の期待感を演技で満たすために走って、また走ってきたチ・ジニ。その当時よりは良くなったと満足感を示すものの、もちろん、100％ではなかったという。

「僕はとどまらず、ひたすら流れてきました。流れてくる間に水たまりもありましたが、今は海に向かっているところです。だから、今もこうして活動できていると思いますし、これは世間のおかげでもあります。自分なりに一生懸命頑張って、努力もたくさんしてきました」

チ・ジニは、代表作として数えられる『宮廷女官チャングムの誓い』だけでなく、最近話題を集めた『60日、指定生存者』も自らの演技によってヒットしたわけではないと語った。

「『宮廷女官チャングムの誓い』は、言われるがままに演じた作品でした。正直言って、僕は何もしていないと思うんです。だからこそ、代表作と言えないところがあります。僕より頑張ってる方もいるし、努力されている方もいらっしゃるので。

役者の中には、演技はとてもうまいのに、認知度が低い方もいらっしゃいます。逆の場合もありますよね。俳優は一人ではなく、一緒にやる人たちと調和しなければならないと思います。大衆に愛される俳優は、人を惹きつける力があります。それは演技とは別の気運だと思うんです。運とも言えますね。僕も一度そのような運があったんでしょうね」

チ・ジニにとって15年の歳月は、多くのことが変わった。個人的な生活だけでなく、放送環境が変わったことが一番大きかった。ドラマでも、バラエティでも変わる時代の流れに沿って、自らも変化しているという。淘汰されないために勉強し、学び、周囲の状況を注意深く見守るという。このように、変化する放送環境にチ・ジニは“バラエティ”を強調した。

チ・ジニは、自分だけができる演技、役割について語った。

「僕の年齢に合った、枠にはまらないことをやってみたいです。ドラマ、バラエティ、映画など様々なことを試みようと思い、絶えず挑戦してきました。“バラエティに富んだチ・ジニ”になれると嬉しいです。様々な作品に出演して、多くの方々に選んでいただき、見ていただきたいです」

滞ることなく、流れに流れてきたというチ・ジニ。彼は「これからどう流れていくのか」に対する質問に「僕も楽しみな部分ですよ」と答えた。

「“ざっとこんな感じじゃないかな”という考えは、未来を確保することができないと思います。時代が変化しているだけ、新たな問題が生じるはずです。どのように解決し、克服していくかを心配する必要があると思います。

川の水は、岩にふさがれることもあり、水たまりにとどまる場合がありますよね。どう行こうと、自分の思い通りにならないこともあります。ですが、『60日、指定生存者』のおかげで、新しいことが起こるだろうという期待感はできました。僕の変化した姿をお見せしたので、関係者の方々が僕に新しいものを与えてくださると期待しています。チ・ジニは淘汰されないように努力しています。腐らないように流れ、また流れていくことでしょう」

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