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映画『1勝』マスコミ試写会


Q:ソン・ガンホさん、映画『パラサイト 半地下の家族(以下『パラサイト』)』以来、興行成績は低調しているようですが、『1勝』の公開を控えた感想を聞かせてください。

映画『1勝』マスコミ試写会
パク・ジョンミン(映画俳優)
(株)アーティストユナイテッド・(株)キダリスタジオ


ソン・ガンホ「映画『パラサイト』以後、どんな作品に出演するか悩んでいました。挑戦にはいつも危険が内包されていますが、いつも求めています。30年間ずっと挑戦をし続けてきました。何をしても上手くいき、作品が愛される時があれば、上手くいかないときもあります。人生も同じだと思います。何か問題があるというより、そういうことから自由にならなければならないと思います。それが芸術家としての基本的な姿勢だと思って努力してきました。公開は一番遅くなりましたが、監督とはシリーズ『サムシクおじいさん』や映画『クモの巣』の前からこの作品の話をしていました。これまで真面目で重くて感情的に抑えられたキャラクターを演じてきたので、観客に清々しくて明るくて軽快な気持ちをお届けできる作品に出演したいと思っていました。『1勝』の話を聞いた時、些細ながらも内容が充実していて観客に楽しさをお届けできると思って出演したいと思いました。そういう努力は絶えずにしてきました。これまで結果が残念だったこともありましたが、それが目的になってはいけないと思います。これからも結果を考えて作品を選ぶことはないと思います。いつも新鮮で、可能性に対する挑戦、堪を持って努力する姿勢が重要ではないかと思います」

Q:シナリオを読んでどんな部分に魅力を感じましたか?

ソン・ガンホ「ジャンル的にはスポーツ映画のように見えましたが、1勝をすることは大したことではないのに1勝自体が100勝のように感じました。1勝自体が重要ではなく、1勝を通して無くしていた自信感や、自分もできるという希望を持てたら1勝を越えて100勝、1000勝のような大きな達成感を感じられる映画になるのではないかと思いました。バレーボールを題材にしていますが、僕たちの人生で自分ならではの1勝のために闘争し、努力する映画になってほしかったですし、その部分に魅力を感じました」

パク・ジョンミン「子どもの頃から勝ち負けにこだわって生きてきたので、習慣のように未だに残っているようです。勝った瞬間より負けた瞬間が圧倒的に多かったです。みんながそうではないかと思うので、この映画は癒しになるだろうと思いました。この役をなぜ演じなければならないんだ?と悩みましたが、ソン・ガンホ先輩と共演したくて出演しました。現場で一緒にいたらどんな感じなのかが気になりました。この映画への出演を決めるのに大きな要素でした。ユンジュ姉さんも(笑)」

チャン・ユンジュ「私はいいわよ(笑)。大丈夫。シナリオを読んだだけでグッとくる部分がありました。監督は本人が書いたシナリオを読んで泣いたのは2作品で、映画『空と風と星の詩人~尹東柱の生涯~(以下『空と風と星の詩人』)』と『1勝』だそうです。映画を見ていたらどんな風に流れるか予想していたのに、(『1勝』をした後)みんながすごく喜んでいる姿を見たらとても癒されました。ブラッククィーンズという一番強力なチームと対戦して漫画みたいに1勝するって?映画だから可能だろうと思いながら見ましたが、彼らが1勝をし、過去の(心の)傷まで癒されるという展開は知っていたにも関わらず感動的でした。シナリオを読んで感じた感動が映画でも伝わっていると思って、いい選択だったと思いました。また、ソン・ガンホ先輩がキム・ウジン役を演じると聞いてとても共演したくて出演しました」

Q:チャン・ユンジュさん、チームのリーダーとして選手役の役者たちとの演技の相性はどんな風に作って行きましたか?

チャン・ユンジュ「ピンクストームチームだけでなく選手役には実際の選手も、後輩モデルもいましたが、みんな良く染み込まれていたと思います。振り付けのようにトレーニングをしていました。実際でも私は最年長者だったので、主張の立場でした。私は友達のようにみんなと和気あいあいと過ごすタイプなので、楽しく怪我しないように練習しようと話していました。トレーニングが終わった後、私がよくご飯をおごりました」

Q:ソン・ガンホさん、監督の作品に相次いで出演していますが、その理由は何でしょうか?

ソン・ガンホ「監督とは『空と風と星の詩人』で初めて会いました。イ・ジュニク監督が演出した『空と風と星の詩人』を見て作家が気になりました。尹東柱詩人の詩は覚えていますが、その方の人生の足跡はよく知らなかったです。(パク・ジョンミンを見て)隣に主演俳優がいますし(笑)、映画も素晴らしかったですが、そういう視線を持った作家が良かったですし、好奇心が湧きました。絶妙に『パラサイト』の撮影を終えて休んでいる時、縁になりました。当時は『クモの巣』を先に出演しようとしましたが、いろいろな事情があって、気軽に演じられるこの作品に先に出演したいと思いました。公開は一番最後になりましたけど。『サムシクおじさん』も『クモの巣』も結果は良くなかったですが、それぞれの作品が持っている妙な視線が良かったです。結果がどうであれ、魅力的な物語と視線で挑戦し、何かを作っていく作業をずっとしてきましたし、これからもそんな風にしていきたいと思っています。そういう理由で監督と相次いで仕事できたと思います」

Q:パク・ジョンミンさん、ソン・ガンホさんと共演した感想と学んだことを教えてください。

パク・ジョンミン「役者になりたいと思い始めた高校生や大学生の時“誰のようになりたい?”とよく聞かれましたが、実はロールモデルという言葉に対して拒否感を持っていました。誰かを言ったら“お前なんかが”と言われたくなくてあまり言っていなかったですが、実はソン・ガンホ先輩のようになりたいと思っていました。とても遠大な夢ですよね。そんな夢を抱いて俳優の仕事を始めました。そうやって十数年後、先輩に会った時、すべてが不思議でしたし、勉強になりました。いろんなことを手帳に書いておきました。すべての瞬間が勉強になりました、たぶん、これから長く僕の心の残っている幸せな思い出でした」

ソン・ガンホ「ちなみに、この言葉は本気です。数年前からジョンミンさんがインタビューでこの話をしているのを何度か見ているので本気だと思います(笑)」



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