Q:チョン・イルさん、(軍除隊したばかりで)撮影現場に慣れるのは簡単ではなかったと思いますが、今でもまだ慣れないなと感じる瞬間はありますか?
チョン・イル「全体台本リーディングに行ったら、全役者が集まっていて。“うわ~役者の皆さんだ”とウキウキしました(笑)。軍服務に行く前と後で、大きく変わったことは感じられませんが、僕の体が信号を送ってきて。軍服務中は朝9時に出勤して、6時に退勤する規則的な生活だったのですが、今毎日徹夜で寒波の下撮影していると、精神的には大丈夫なのですが体が悲鳴を上げています。口唇ヘルペスにかかり、何日か撮影できませんでした。ご迷惑をおかけしました」
監督「イルさん一人で徹夜されているんです。撮影で徹夜することはありません」
チョン・イル「台詞が多く、家で一人で台本練習をしているうちに夜が明けるんです。撮影では徹夜してないです(笑)。週68時間を徹底して守りながらやっています」
Q:チョン・ムンソンさん、イ・ギョンヨンさんも悪役のようですが、いかがですか?悪役を演じるのに重点をおいたところがあれば教えてください。
チョン・ムンソン「悪役は悪役ですが、違う悪役です。イ・ギョンヨン先輩は重みとオーラがあり、怖い人物ですが、僕は典型的な悪役ではないんです。初めて見るキャラクターでした。
そこについては監督、作家さんと話し合っていきました。人格障害により成熟できないという人物です。殺人を犯す理由が、殺人からくる喜びのためだったり、権力を得るためではなく、自分の力を表現する方法だと考える無知な人物です。作家さんが中学のいじめと思ってくれれば良いと。それくらい一般的な子よりも成長できていないということですよね。人間関係も、精神的にも全てが形成されていない状態で、誰かの利益のために利用され、突然権力を得た時の混沌と間違った選択を見せるので、ある時は怖く、子どもっぽくて、不憫にも見えてきます。はっきり悪いとは言えない人物で、可哀想なんです。
イ・ギョンヨン先輩はすごく怖いです。僕が先輩に怒鳴るような、調子に乗った姿を見せるシーンがあります。自分が有利な立場なのですが、先輩の目を見て演じていると、オーラがあって怖いんです。僕が勝たなくてはいけないのに、そう考えれば考えるほど余計に怖くなって(笑)。出会う全てのキャラクターが僕を変な人にしていきます。すごく変わっていて、奇怪にしか見えない状況を作っていただいたので、悪い言葉を使い、悪い行動をする気持ちを抱くまでの過程を悩むのが全てで、どう表現したらいいかと悩みはしません。誰かを殺すこともないです。死体の横に立っているだけです(笑)」