女優ウォン・ジナが『地獄が呼んでいる（以下、『地獄』）』にて、演技で母性愛を披露し話題になった。2021年初め、『先輩、その口紅塗らないで』でロマンスを繰り広げた彼女は、『地獄』では母に変身。これまでに見せたことのない姿だった。

『地獄』は、予告なく登場する地獄の使者に地獄行きの宣告を受けてから超自然的な現象が発生し、この混乱の中で復興した宗教団体新真理（セジンリ）会と事件の実態を暴こうとする人々が絡み合い、繰り広げられるストーリーを描いたNetflixオリジナルシリーズだ。ウォン・ジナは劇中、ソン・ソヒョン役でパク・ジョンミンと夫婦演技を繰り広げた。

ー初めてのヨン・サンホ監督作品はいかがでしたか？

「監督との作業はすごく面白かったです。現場の雰囲気を愉快にして下さり、助監督は撮影に集中しなくてはいけない状況で雰囲気を調節してくださいました。明確なディレクションのおかげで力を抜くことなく、エネルギーを消費せずに撮影できました」

ー演じたソン・ソヒョンは生まれる子が地獄行きの告知を受け、子どもを助けるために奮闘しました。そこで母として感情的になる姿を見せますが、もどかしいという反応もありました。

「ソン・ソヒョンは、困惑する人の姿を一番近くで見せるキャラクターです。一般的に考える“恐ろしさに震える”といった姿をしっかり見せるキャラクターだと思いました。最初は憎く、そしてもどかしく見えるかもしれませんが、それが逆に現実に近いとも思ったんです。私も最初に台本を読んだとき、もどかしさを感じました。私が感じたもどかしさを、見る人にもそのまま感じてほしいと思ったんです。なのでそのままを表現したいと思い、演じました。

最初は未熟ですが、どんどん成長していくので人間らしい人だと思いました。その人間らしいところも愛されるだろうと思い、感じたままに表現しました。理解できない感情も最初はありましたが、現場で撮影していると、それが解決していくことが多かったです。撮影現場のセットや美術的なところも役立ったと思います。

ソン・ソヒョンというキャラクターを理解することができるか、そう聞かれたら、よく分からないと答えます。私はウォン・ジナという人間を、その状況に代入しその感情について考え、そのままを感じられるよう表現しました」

―夫とともに、終盤で死を迎えますよね。ジナさんはシーズン2には出演されますか？

「シーズン2についてよく聞かれますが、ソン・ソヒョンとペ・ヨンジェは死んだので、どうなるのかわかりません。私は2人も生き返ることができるのではないかと期待しています。なので撮影現場でも監督に、私たちも生き返れますかと聞いたのですが『分からない。ソン・ソヒョンとペ・ヨンジェは生き返らないかもしれない』と言われてしまいました（笑）。なのでどうなるか分かりません」

デビュー直後、ドラマにて主人公を演じ期待を集めたウォン・ジナは、今や“信じて見られる女優”となった。デビューからすでに5年が経つが、休むことなく活動しドラマと映画を縦横無尽にしている。

―映画やドラマで活発に活動されていますが、バラエディへの出演などは予定されていますか？

「演技に集中したいからとバラエティを避けてきたわけではありません。まだ私という人よりも、ウォン・ジナという女優の姿を見せていきたいです。女優としての私を知ってもらい、後々人間ウォン・ジナとしての姿を見せていきたいと思っているのですがまだ女優として見せられていないものが多すぎるんですよね。

慎重になっている部分もあり、タイミングが合わないとも言える感じです。バラエティに出演してみようかなと思っていたところに作品のオファーが入って作品を先にしたり。まだ具体的な計画はないですが、機会があったらバラエティも出演してみたいです」

―バラエティ番組はご覧になりますか？出演してみたいバラエティはありますか？

「主にアイドルが出るバラエティをよく見ます。ですがああいった番組の撮影は時間がかかりそうで…（笑）。それに私にバラエティ感覚があるのかもわからないですし。これは私が判断できるものではないですが、周りの目を気にしているように見えて実は気にしない人なんですよね。なのでゲームのようなものをする番組に出たら理解するまで時間がかかってしまうのではないかと思います。一度出演してみれば、バラエティ感覚があるかないか分かりそうですよね」

ウォン・ジナは2021年末に公開した『ハッピーニューイヤー』にも出演。現在はド・ギョンスと『言えない秘密』の撮影に入っている。『地獄』で母性愛を見せたウォン・ジナが、また別の作品の中ではどんな姿を見せてくれるのだろうか。彼女の新しい姿が待ち遠しい。

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