ハン・ソヒが主演を務めたドラマ『マイネーム：偽りと復讐』は、父親を殺した犯人を探すために組織に入ったジウ（ハン・ソヒ）が、新しい名前で警察官となり、警察に潜入したことで直面する冷酷な真実と復讐を描いたNetflixシリーズ。

「『マイネーム』の撮影が終わってもう1年が過ぎました。あの時苦労した記憶が、一つ二つと思い出されます。うれしい気持ちと緊張とで今を過ごしています。『よく戦って、よく殴る』というコメントをよく見ます。『ハン・ソヒらしくない』という言葉が好きです。最近では『こんなことができる女優だったのか？』という言葉、『ハン・ソヒの姿から脱皮した』という言葉がうれしかったです」

Netflixで公開された『マイネーム』は、Netflixのテレビ番組部門でワールドランキング3位にランクイン。また、ストリーミングサービスのある83ヵ国で「今日のTOP10」」を記録している。

「『イカゲーム』を通じていろんな国で韓国ドラマが注目されるきっかけになったと思います。“本当にもうOTT時代が到来したのかな？”という気もします。世界中の視聴者が『マイネーム』に注目した理由は、アンダーカバーの作品で女性を主人公にした作品がなかったように思うので、新たな部分に注目していただけたのではないかと考えています」

ドラマ『夫婦の世界』、『わかっていても』などを通して、様々な役柄を演じてきたハン・ソヒ。彼女は『マイネーム』でさらに新たな姿に変身した。

「序盤、運動の『運』の字も知らなかったです。（ジャンル変更は）突然ではありますが、アクションというジャンルに限ったことではなく、女性一人が主体的に引っ張っていくシナリオをやりたいと思っていたので、アクションと結合したシナリオに出会うことができ、やってみようと思いました。ノワール物は好きなジャンルの一つで、そこが最も大きな理由になったと思います」

ハン・ソヒの言葉のように、『マイネーム』は従来男性キャラクターがメインだったアクションノワール、アンダーカバージャンルとは異なり、女性キャラクターのジウがメインでストーリーを進めていく。それだけでなく、「復讐」というクラシックなテーマを貫く楽しさを提供している。

「進取的で主体的な性向の強いキャラクターになりたかったです。揺れ動いていた役柄が信念を持って極限に到達できるように仕上げようと思いました」

初のノワールジャンルに挑戦した彼女に、プレッシャーはなかったのだろうか。

「私が主人公の作品は、ドラマ『わかっていても』より『マイネーム』が先でした。重圧感、緊張感、プレッシャーが多い状態で撮影を始め、最初、キム・ジンミン監督が私に『台本を見ないでアクションからしよう』と言ってくれました。今になって考えてみると、アクションというジャンル制限があるため解釈能力が足りなくなることを心配して、そのように話してくださったのだと思います。最初はアクションジャンルに集中していたので、後半に台本を準備する上で大きなプレッシャーは感じませんでした」

『マイネーム』の1話序盤、ハン・ソヒは高校生を演じ、制服姿も披露。

「撮影中に実際の高校生の助演の方がいました。高校生役は自分でも“駄目なんじゃないか”と思いましたが、ジウからヘジンになる5年という時間を見せなければならなかったため、必要だと思いましたし、感情的に弱く完全でない状態で父の死に直面した時、人生の目的が明確に刻まれるのではないかと思いました。そのため、脚本家が高校時代に大きな事件を経験するようにしたのではないかと思います」

劇中においてハン・ソヒは、ユン・ジウとオ・ヘジン役を演じた。ジウは復讐のために獣の世界で生きるアンダーカバー。ユン・ジウでもあるオ・ヘジンは、自分の名前と存在のすべてを消して復讐のためだけに進む人物だ。ハン・ソヒは役のために3、4ヵ月間、月曜日から金曜日までアクションスクールに通いつめたという。

「いくら自分が手段を使っても、アクションシーケンスは一人ではできないということを知り、たくさんの時間を投資しました。もちろんアクションシーンは私がすべてやったんですが…代役の方がリハーサルをして、代役の方が撮影した部分も私たちがすべて撮影し、編集しました。ワンテイクアクションもありましたが、すべてこなしました」

運動の「運」の字も知らなかったハン・ソヒにも悩みがあった。

「数多くのアクションシーンと復讐を目標に持っていくことで、視聴者の皆さんがジウに集中して1話から8話まで見ることができると思いました。2ヵ月間アクションの練習にのめりこんだので、アクションへのプレッシャーはありませんでした。ただ、けがをしたくないという気持ちだけでしたね。演技的な部分では口数が少なく、顔やジェスチャー、表情で話をしなければならないキャラクターだったので、大変でした」

ハン・ソヒは『マイネーム』のために10キロ増量し、話題となった。

「ドラマ『夫婦の世界』を撮影した時は、44～46キロでした。『マイネーム』の準備をしながらアクションを頑張ったので、食べる量が多くなりました。食べたいものを好きなだけ食べていたら、撮影前に53～54kgになりました。（“釜山国際映画祭”のオフトークでパク・ヒスンがハン・ソヒについて）筋肉で10kg増量したと言っていましたが、絶対に違います。脂肪が半分以上を占めています。それでこそ、持ちこたえられる体の状態になります。自然に増量していきました」

(c)STARNEWS