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STAR INTERVIEW

トラウマを抱え、自傷行為する母親役を演じたキム・ソニョン「寂しかったんだと思う」

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トラウマを抱え、自傷行為する母親役を演じたキム・ソニョン「寂しかったんだと思う」

女優キム・ソニョンは、女優だけでなく演技指導者としての道も歩んでいる。
彼女の演技は、特別でも派手でもない。彼女の演じるキャラクターはいつも本当にその作品の中に存在しているかのように感じさせてくれる力がある。キム・ソニョンは自らの演技の秘訣として「共感」を挙げた。

ドラマの中で、味のある助演女優として活躍するキム・ソニョンが、映画『三姉妹』の主演女優となった。『三姉妹』は、傍から見れば問題ないように見えるが、見せかけの性格、小心者な性格、トラブルメーカーである3人の姉妹が、周りに言えなかった過去を打ち明けることから始まる物語だ。夫イ・スンウォン監督の作品にはこれまでも出演してきたキム・ソニョンは、今回長女役を演じ、ムン・ソリチャン・ユンジュと共演した。

トラウマを抱え、自傷行為する母親役を演じたキム・ソニョン「寂しかったんだと思う」

―夫イ・スンウォン監督と撮影してみて、いかがでしたか?

「私は前から夫と仕事を共にしてきました。演劇から映画まで、10年を超えます。私たちは、目を見ただけで息の合うチームです。演劇とメディアが異なる映画なので、システムは異なりますが、演出と女優として気楽に接してきました」

―トラウマが激しい人物を演じて感情の消耗がひどかったと思いますがどうでしたか。

「このシナリオをいただいて、この役を演じると決めてから1年ほど時間が経った後に撮影が始まりました。実は1年間この人物に対してわざと考えず、距離を置いていました。その過程が演技をする際に役立った気がします。1年間常に私の中にあったので、むしろ撮影が楽でした。一部シーンは撮影が大変でしたがが、撮影時に何度も撮り直しすることなく簡単に撮影ができました」

トラウマを抱え、自傷行為する母親役を演じたキム・ソニョン「寂しかったんだと思う」

―演技しながらヒスクに最も同情したシーンは何ですか。

「娘に『どうしたら世間の人は、母さんのことを嫌いにならないかな』その言葉を発した時に同情しました。実はこの質問は、私たち全員が持つ質問です。この質問を口にする人がいないだけです。人間は他の人によく見られたがる存在であり、私が私を愛することが重要です。そのため私もその質問で自由になりたいという気持ちがあります。なので、特にそのセリフに同情心が湧きました」

―『ベテラン』以降、2度目の映画を撮影することになったチャン・ユンジュさんの演技の先生をされたそうですが、いかがでしたか?

「ユンジュとの最初の撮影で、彼女は(演技を)長期間休んでおり、私は演技ディレクティングの経験も積んできていたので、必要に応じて撮影時に手伝ってあげると提案しました。ユンジュも手伝ってほしいと言うので、撮影中ユンジュの演技指導をしました。

相談しながら着々とキャラクターを作っていき、本当に幸せな時間でした。チャン・ユンジュは本当に驚くべき女優でした。演技ディレクションは与えた人が上手いことが重要ですが、それを吸収する女優の吸収力が重要です。ユンジュはモデルとして体で感情を表現することに慣れているので、消化力と理解力が本当に最高でした。私が演技ディレクティングを担当した人は50人を超えますが、ユンジュは吸収力が人並外れていました。私が最初の撮影を終えて帰る車の中で30分間ほぼ賛辞と賛美を送りました」

―ムン・ソリさんとの共演はどうでしたか?ムン・ソリさんがキム・ソニョンさんの演技を絶賛していました。

「ソリさんはリアルに演技が上手です。これはみんなが知っている事実ですが、ソリさんは本当に韓国の映画界に必要な人物です。とても利他的で、すべての面で悩む俳優です。一緒に仕事をすると相乗効果があり、いつも平和で、聞いている人にとって役立つように話しをしてくれます。ソリさんはそのような面でマザーテレサのように網羅する力があります」

トラウマを抱え、自傷行為する母親役を演じたキム・ソニョン「寂しかったんだと思う」

―子供の頃の虐待によるトラウマがあるヒスクのキャラクターは、難しかったと思いますが、どのように設定して演じられましたか?自分で自分を傷つけるシーンはどのような意味で解釈しましたか?

「人は、自分自身をよく知らないと思います。だから、私は演技をする時もキャラクターを設定して演じません。演じる度に、この人がこうする時はどんな気持ちだろうか、なぜこのように話すのだろうか、を考えて演じます。ヒスクに対しても設定はしませんでした。また、ヒスクが自らの体を傷付けるのは、子供の頃から誰とも苦痛を共有できず、慰労を受けられなかったからだと思います。大変な時に大変なことを忘れるために自ら体を傷つけていたのではないか、そんなふうに考えました」

―現場の雰囲気はどうでしたか?

「私はユンジュの演技ディレクションのために、自分の撮影がなくても撮影が行われている日は現場に行きました。ソリさんの撮影では抜けたこともありましたが、ソリさんはプロデューサーとして常にいて、ユンジュも撮影現場によく来ていました。通常俳優は自分の撮影だけして抜けるのですが、『三姉妹』の撮影現場はとても特別でした。まるで劇団で公演するかのように、二度とない撮影現場でした。なので、必然的に親しくなりました。またこういった撮影ができたらいいなと思います」

―イ・スンウォン監督とは他の作品でも演技されていましたが、女優として夫の演技はどうでしたか。

「映画『ファンファーレ』に登場する夫の演技を見て、『二度と演技はしないで』と言いました。そのため、最近では私に内緒で演技をしてきたみたいです。私が反対するので私には秘密にしていたのですが、その現場でメイクを担当していた知人が、私に教えてくれました。

夫は監督として、作家としてとても尊敬しています。本当に上手です。皆さんには夫の演劇を見てもらいたいです。気絶するほど本当に素敵です。イ・スンウォン監督は、監督として個人的に好きです。監督として、作家として最高です。夫の作品は温かくて面白いです」

―最後に、コロナ禍の中で2021年最初の韓国映画として上映される感想を教えてください。

「光栄で、嬉しいです。劇場に来てほしいと言うのも申し訳ない状況ですが、多くの方々に見ていただきたいです」
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