「様々な人生を演じられて幸せ」パク・ウンビン、女優としての幸せを語る
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「今のドラマに望まれる“サイダー(サイダーを飲んだ時のような爽快感を感じること)”とは程遠いキャラクターですが、皆が皆“サイダー”のような人生ではないですよね。チェ・ソンアのような人物はリアルだと思いました」
SBS月火ドラマ『ブラームスが好きですか』で女優パク・ウンビンは夢と現実の境界で揺れ、さまよう遅咲きの音大生チェ・ソンアを演じた。
チェ・ソンアは劇中、経営学科に通ったのち同じ大学の音大に新入生として入学した人物。才能が足りず悲しい思いをするが、バイオリンをやめることはなく夢に向かって走る美しい29歳だ。
パク・ウンビンはチェ・ソンアについて「私だったら絶対に選ぶことができない道を行く人だと思います。それだけですごい勇気を持った人物だと思いました。本当に強靭で堂々としていて、誰よりも忍耐強い人です」と語った。
デビュー23年目を迎えたパク・ウンビンも、チェ・ソンアのように揺れることもあったが、演技に対する熱が冷めることはなかったという。
「私もソンアのように内気で、抱え込む方なので“これ全部やり切れるだろうか”、“私より才能がある人はたくさんいるのに、私は役者に向いていないのか”と悩んだ時期がありました。私に合っているものは何なのか、自問自答する時間が必要だったんです。今はその時期も越え、役者としての自分を信頼しています」
パク・ウンビンは女優として一段階成長させてくれた作品に、6年前のドラマ『秘密の扉』をあげた。『秘密の扉』は、子役から成長し、女優となって帰って来た彼女のターニングポイントとなった作品。
劇中、朝鮮時代の正祖の妻役を演じた彼女は「“漢中録”という参考にできる実際の史料があったことが、本当に良い経験となりました。その人の生を感じようと、感情移入しながら演技をしたら一気に成熟した気がしたんです」と語った。
『ブラームス』で再び成長を遂げたパク・ウンビンは、最も愛着が湧いたシーンとして、チェ・ソンアがバイオリンを手放すシーンを挙げた。
「6ヶ月間苦楽を共にしたバイオリンと別れ、心の中でたくさん涙が出しました。当初、監督はソンアがバイオリンをあきらめる過程がとても気に入っているとおっしゃっていました。私もソンアがファンタジー的に悲しみを経験して才能を発見するよりは、現実的に、より幸せな道を探し出すことが主になると思ったので、バイオリンと別れるシーンに大きなプレッシャーを感じました。ちゃんとお別れしたかったので」
クラシック音楽を素材にした『ブラームス』は、徐々に胸に響く感性で視聴者を魅了した。叙情的な物語の中の愛と友情に囲まれた各人物間の複雑な関係と、積み重なる感情表現は視聴者をはらはらさせた。
「会話のやりとりがなくても若者の多くの悩みを含んでいるので、このような熾烈な悩みがちゃんと表現されれば、何もない状況の中でも退屈しないと思いました。ですが、思った以上に視聴者の方々が『穏やかなドラマ』と表現されたくらい、激しい感情表現も良い捉え方をしてくださいました」
今年はSBS金土ドラマ『ストーブリーグ』に続いて『ブラームス』に出演し、休むことなく活動した彼女。
『ストーブリーグ』で、ガッツのある最年少プロ野球運営チーム長イ・セヨンを演じた彼女は、『ブラームス』では正反対の、か弱そうに見えるが内面は強固な音大生ソンアを見事演じ切った。
「とても面白かったです。むしろ似ている面を持っているキャラクターだったらどうやって違いをつけようかと悩んだと思います。おかげでイ・セヨンチーム長ともしっかりお別れでき、チェ・ソンアもすがすがしく迎えることができました。すごく大変だったということはなく、楽しみながら演じられました。女優としていろんな人生を生きられることが、幸せです」
彼女は、当分の間、次期作を模索しながら休息期間を設ける予定だという。普段、予定がないと家に引きこもるというパク・ウンビンは「演じるときにエネルギーが必要なので、家で休めるときは何もせずベッドの上でエネルギーを充電します。周りには運動をしてエネルギーを充電したらどうかと言われているのですが、…いい言い訳を考えています(笑)」
1992年生まれのパク・ウンビンは来年、韓国の年で30歳。30代を目前に彼女はどんな計画を立てているのだろうか。
「30歳になったら、何か変わるかなと思っていたのですが、周りから『体力が衰える』と。あえて計画を立てるとすれば、体力を維持したいということでしょうか」
チェ・ソンアを精一杯愛した彼女は、もう女優パク・ウンビンに戻る。
「ドラマのテーマの一つだったダ・カーポ(音楽においては、最初に戻るを意味する)のように、もう一度最初に戻って、どんな姿を見せたら良いのかをもう一度考える必要がありますね」
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