Q:ユ・アインさん、スティーヴン・ユァンさん、ジョンスとベンの間の緊張感が中心となる映画ですが、共演の相性はいかがでしたか?
スティーヴン・ユァン「Awesome(最高でした)!初めて会った時から、役のように徐々にお互いのことを知っていこうとしました。4ヶ月間共演している内に友達になりました。(ユ・アインへ)仲良くなったよね?(笑)とても良い時間を過ごしました。アインさんはとんでもない役者さんだと思います。共演するパートナーを完全に信じて演じるということは、本当の自由を感じられるのだと知りました」
ユ・アイン「とても新鮮で、良かったです(笑)。外国籍の役者さんということで、言語的な部分もそうですが、キャラクターを一緒に作っていく工程で、いつもとの違いを感じました。演じる瞬間や演技以外で、お互いの考えを知り、お互いのことを分かっていく過程が楽しかったです。実際は(スティーヴン・ユァンさんが)兄さんですが、『兄さん』とは呼んでいません(笑)。アメリカではそのまま名前で呼びますよね(笑)。だから、友達のように過ごせたんだと思います(笑)」
Q:ユ・アインさん、監督との仕事はいかがでしたか?
ユ・アイン「楽しかったです。撮影前、監督は『未知の世界にのめり込んでみましょう』とおっしゃいました。怖いけどワクワクしながら、毎瞬間を一緒に作っていっているということを感じさせてくださって、役者としてやり甲斐がありました。積極的に参加し、達成感を感じさせてくれる現場でした」
Q:スティーヴン・ユァンさん、バラエティ番組『アブノーマル会談』に出演した際、『イ・チャンドン監督と仕事したい』とおっしゃっていましたが、いかがでしたか?
スティーヴン・ユァン「監督から連絡を頂いた時、運命を自分の思うままにできそうな気がしましたが、違いました(笑)。流れに身を任せるという良い経験ができ、すべてがピッタリと合いました。『アブノーマル会談』でその話をしたことで監督の方から連絡を頂いて撮影まで…すべてが運命のように、とても自然に流れていきました。昔から監督の大ファンでした。人と世界に対する理解が他の追随を許さないです。信じられない監督です。とても落ち着いていて、役者を自由にさせてくれます。監督の眼差しも感動的でした。良い監督はそういうものを持っているようですね。ポン・ジュノ監督もそうですし、人を見てどんな人なのかが分かる目のような。イ・チャンドン監督は、会うまで僕について知らなかったと思います。おそらく『ウォーキング・デッド』もご覧になっていないでしょうね。でも、大丈夫です(笑)。監督が僕を深い目で見ているような気がしました。僕たちは縁があると思いましたね」
Q:この場で仕事したい監督の名前を言ったら、また叶うかもしれませんね。
スティーヴン・ユァン「スティーヴン・スピルバーグ(笑)」
Q:イ・チャンドン監督の作品は「韓国的」だと呼ばれますが、監督が描いた青春は、演じる中でどう感じましたか?普遍的な青春でしたか?
ユ・アイン「普遍的と言えば普遍的だと思います(笑)。多様な人物がどんな秩序の中で行きていくのかが、普遍性を左右すると思います。ジョンスはこの時代を生きる同世代の苦しみを持っていますが、普遍的な若者の姿が監督の解釈で描かれます。独創的でユニークですが、リアルに感じられるように努力しました」
スティーヴン・ユァン「監督の作品はすごく韓国的だと思います。カンヌなど、各種国際映画祭で多くの名誉と評価を受けている理由は、自分が生きる世界を具体的に表現したからだと思います。『ペパーミント・キャンディー』、『オアシス』を観ました。僕は韓国系で、完全な韓国人ではないですが、完璧に理解できました。監督は今回の作品で新しい冒険をされましたが、若者の視線や生き方、変化をよく掴んでいるからこそできることだと思います。グローバル化されていく世界に住んでいますが、韓国的であることこそ、グローバル化できることではないかと思います」