チ・ヒョヌ、コ・ドゥシムとの恋愛演技に本音「実際も可能だと思う」
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俳優チ・ヒョヌが新たな挑戦を繰り広げ、スクリーンにカムバックした。チ・ヒョヌは、映画『輝く瞬間』で33歳年上のコ・ドゥシムと恋愛演技を行い、新しい姿を披露した。
映画『輝く瞬間』は、済州(チェジュ)の海女であるジノク(コ・ドゥシム)と、彼女を主人公にドキュメンタリーを撮影するプロデューサーのギョンフン(チ・ヒョヌ)の特別な恋愛を描く作品だ。
2004年に『オールドミス・ダイアリー』でかわいい年下男性として愛されたチ・ヒョヌは消え、人間的な感性と魅力をたくさん詰め込んだギョンフンとして観客の共感を導く。演技に悩んでいた時期、『輝く瞬間』の出演オファーを受けたチ・ヒョヌは、他の恋愛映画とも異なるロマンスを描き出し、俳優チ・ヒョヌを再発見させた。
平倉(ピョンチャン)洞のカフェでチ・ヒョヌに会い、映画『輝く瞬間』についての話を聞いた。
―この映画に出演することとなったきっかけは何ですか?悩むポイントはありませんでしたか?
「最初にシナリオを受け取ってから決定するまで、3週間程かかりました。読んで悩んで、済州島を一度訪問してから決めました。シナリオを読んで“すごくいい話だ”、“僕は理解できる”と考えました。でも観客の方々が理解できるか心配でした。とはいえ、すべての人々に認められ理解されることはない気がします。
33歳年上のジノクに向けたギョンフンの愛が本物の愛なのか、と思っている観客もいるかと思います。ジノクとギョンフンが森の中で膝枕をして横になっている時、ジノクがギョンフンに『あなたはなぜ私が好きなの』と尋ねます。その時、ギョンフンは『あなたの輝く瞬間を見ました』と答えるのですが、二人がお互いの輝く瞬間を見たのだと思います。
ジノクがコッチャワルで4.3事件について語り、娘を海女にしようとして失ったと話すシーンで、ギョンフンが話を聞いてジノクを理解します。そして、ギョンフンも話を聞いて『僕の恋人も海の下にいます』と言います。泣いてもいいと言うジノクの言葉に慰められ、そうやって二人はお互いを理解するようになったのではないでしょうか。先生の顔をただ見るだけでも少女だった時の姿を描くことができました。人の顔を見ると、その人がどのように生きてきたのか見えると思いませんか。先生の顔を見ながら、目元のしわを見ながらいいなと思いました。僕にはそれが愛らしく見える、そんなことを考えていました」
―実際にご本人がギョンフンの立場であれば、このような恋愛は可能だと思いますか?
「実際に僕なら理解できるという考えがあるので、可能なのではないでしょうか。年を取った女性を単純にお母さん、おばあちゃんと見るよりも、彼女たちも女性だと思いました。ただ、なぜ年を取った男性と若い女性が出てくる作品は多いのに、反対はないのかとも思っていました」
―演技で悩んでいた時期にこの作品に出会ったとおっしゃっていましたが、どんな悩みがあったのですか?
「僕はKBS公開採用で2003年にデビューし、もう18年目です。20歳で本格的に演技を始め、職場で会った時もチーム長、課長、役職についている方々も負担が多いのではないでしょうか。先輩と後輩の間で中間の役割をしなければならず、僕も演技について悩みが生まれる時期でした。かわいさも消え、幼さもなくなって観客や視聴者は演技が下手だったら許してくれません。大衆は冷静です。成長していないと選ばれないと思いました」
―この映画を撮影して、その悩みは解決しましたか。
「完全に解決してはいませんが、この映画に頼れる部分はありました。済州島で撮影して癒され、演技的な部分でもコ・ドゥシム先生がいらっしゃったので、現場で頼ることができる支えでした。この映画はありえないと思う方もいるかもしれませんが、僕は没頭して演技することができました。そして済州だったから可能だった気がします。ソウルで演じると言われたら大変だった気がします」
―現場で海女さんたちの愛を独り占めされたそうですね?
「海女さんの家にカラオケマシンがあります。休みの日にも行って歌を歌おうと言われたら、歌を歌って話もしました。僕を芸能人である前に、一人の青年として見てくださったので、そういった部分から治療できた気がします。芸能人として過ごしていると、すれ違う人の目を見ることもできません。注目されるかと思い俯いて歩くので内気な性格に変わりました。済州島では芸能人ではなく、人として接してくださったのでとてもリラックスできました」
―年下男性、ラブコメなどのイメージがありましたが、様々な作品に挑戦されていますよね。
「僕は選ぶことはせずに、入ってきた作品に出演するようにしています。僕も年を重ねて、いつからか年下役を演じられない年齢になっていました。自然とそういった作品も入ってこなくなりましたし、僕に来る作品に出演しています」
―デビュー時より今の方が緊張するそうですね?
「若い頃は撮影現場はただただ楽しい場所でした。ソ・ジヘさん、ユ・イニョンさんたちが同期なのですが、その当時彼らはいつも緊張していました。うまくいかなければ泣いて、僕がなぐさめて。なぜ緊張しないのかと言われたのですが、今はその時と正反対になりました。彼らは今すごく格好良くて、成熟しましたが僕は今が緊張します」
―緊張感があまりなかったのでしょうか?
「その当時は、失くすものがありませんでした。家も裕福ではなく、これ以上落ちることはない状況だったので、下宿で生活しながらバイトをして、助役ばかりやって、なので現場が楽しかったんです。泣くシーンも若い頃はすんなりできたのですが、年を重ねるごとに鈍くなってきて。辛さ、苦痛にも鈍感になってしまって、なぜ辛いのかに深く入り込まないと感情移入できなくなりました。初めて演じたときは子供のようにすべて受け入れて役に近づくことができたのですが、今はどう近づくべきか悩むようになしました」
―最後に、コロナ禍での映画公開となりましたが望むことはありますか?
「大変な時期ではありますが、公開できることになってホッとしています。劇場で観るべき作品です。スクリーンで見ていただきたいなと思いますし、一人で鑑賞されると2人の人物に集中できるのではないかなと思います」
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