キム・ウィソン インタビュー
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台風が過ぎ去ったある日の韓国。釜山(プサン)海雲台の海は波が荒いままだったが、空は雲の間から太陽が差し込んでいた。
「第23回釜山国際映画祭」のイベント真っ最中だった海雲台グランドホテルロビーで、キム・ウィソンにインタビューを行った。ドラマ『ミスター・サンシャイン』で“ミョンジョンセ”(※)旋風を巻き起こした彼は、今回釜山国際映画祭にソン・ユナと共演した映画『Stone Skipping』で姿を見せた。
※みぞおちを強打してやりたいくらいの悪党を演じたことでついた別名
―『ミスター・サンシャイン』で演じたイ・ワンイク役で悪役として再度注目を浴びましたね。TVドラマは映画より悪役を演じることに制限があると思いますが、もっとシンプルに、など考えられるのでしょうか?
「シンプルに、ではなくもっと表現を多彩にしなくてはいけないことが多いです。良い人の役はできることが少なく、狭い道を行くような感じですが、悪役は自由に、様々な道を行くことができます。役者の立場で言うと欲望が強いのが良いキャラクターだと思うので、悪役はもってこいです」
―『ミスター・サンシャイン』に出演した俳優の中で一番日本語の台詞が日本人ぽかったと評価されていました。それくらい準備されたということではないでしょうか。
「日本に旅行で行くことはよくありますが、『ありがとうございます』程度しかできませんでした。ですが日本語の台詞もすごく多い上に、昔の言葉だから難しいとも言われましたね。すごく頑張りましたよ。日本語の先生が読んでくれた台詞を録音して、聞いて繰り返し言いながら覚えました。
何も分からない状態からやったので大変ではありましたが、その分偏見を持たずにできたので、うまく発音できたんです。偏見がなくてこそうまくなれる近道でもあると思います。『ミスター・サンシャイン』の撮影は、延びて6ヶ月間も撮影しました。でも良かったのが、6ヶ月繰り返し台詞を言っていたので、すらすら覚えられたことです」
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