あるはた迷惑な美女スターがいる。若くしてデビューした女優だが、演技力は形無し、口を開けば問題発言、整形疑惑は日常茶飯事、年下の男ばかり追いかけるスキャンダルメーカー。カメラのフラッシュは遠ざかる一方だが、未だに自分の実力だと勘違いしている。でもその実は、恋と失恋を繰り返しながら幸せな結婚を夢見る純粋な女性。さらには子どもが必要だと言って妊娠発表までする始末。『グッバイ、シングル』のヒロイン、コ・ジュヨンだ。

一方、"彼女"は当時16歳でデビューした。大人びた美貌のため子役はスキップ。数々の話題作で注目を浴びたが、端から褒め称えられる演技派女優ではなかった。「何を演じてもキム・ヘスにしか見えない」という指摘に苦労する時期もあった。心が折れそうになっても、平然なフリをして耐えた。そうしていつしか、"彼女"にしかできない演技を作り上げた。"彼女"とは、30年もの間トップスターと呼ばれてきた女優、キム・ヘスだ。