チョン・ウソン インタビュー
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チョン・ウソンは青春のシンボルだった。そして、愛のシンボルだった。青春とは、剥製にもしない限り、時間と共に過ぎ去るものだ。しかし愛は、心臓が動いている限り続く。チョン・ウソンは青春のシンボルを脱ぎ捨てようとしたが、愛のシンボルは末長く大切にしたいようだ。
チョン・ウソンは、7日に公開される恋愛映画『私を忘れないで』で主人公兼スタッフとして参加した。『私を忘れないで』は、交通事故で10年間の記憶を失くしてしまった男が、一人の女性に出会い、恋に落ちて繰り広げられる映画だ。チョン・ウソンは、映画『グッド・バッド・ウィアード』でスクリプター(記録係)として参加していたイ・ユンジョン監督の短編映画だったものを長編として企画し、主演俳優及び制作者として加わった。
何が、彼をそうさせたのか。
Q.イ・ユンジョン監督と『グッド・バッド・ウィアード』で知り合ったからといって、主演や制作まで請け負うのは容易いことではない。『私を忘れないで』のどの部分に惹かれたのか。
もちろん、イ・ユンジョン監督とは『グッド・バッド・ウィアード』で知り合ったが、親しげに連絡を取り合うほどの後輩ではなかった。当時も映画監督を夢見ていた子で、野球を題材にしたシナリオを見せてくれたりもした。その後、イ・ユンジョン監督がアメリカへ映画の勉強に行き、長編を制作するためにまず短編を作って、クラウドファンディング(特定多数の人がインターネット経由で財源の提供や協力などを行うこと)をするつもりだと聞いた。確かに恋愛ものなのに、恋愛っぽくないトーンやマナーが非常に新鮮だった。
また、イ・ユンジョン監督にとってチョン・ウソンという俳優は、幼いころからファンで、一緒に仕事するのが夢だったらしい。しかし、叶わない夢の存在でしかないという話にすごく刺激された。だから(僕は)、短編を長編にするのではなく、長編は長編のシナリオがなくてはならないと言った。そして、長編のシナリオができたら見せてほしいと言った。それは、映画を制作する監督なら、当たり前のことだから。
Q.先輩としての責任感が大きかった、ということか。
夢に対するチャレンジ精神は果敢であるべきだ。僕も映画界を夢見ていた人間だが、運よくこの道に入った。チョン・ウソンと(仕事を)したいけど、現実的に難しいから諦めるのはやるせなかった。理想はあるけど、現実的な選択をしなければならないなんて、残念で仕方なかった。僕もまた、夢のような存在なだけで、一緒に仕事が出来ない遠い存在であるならば、、後輩と仕事をするチャンスを失うかもしれないと思った。ショーウインドーの中にだけ閉じこもっていたら生き残れない。ショーウインドーの外に出るのが先輩の役目だ。そして、先輩が先に歩み寄るべきだ。
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