あらすじ
例えばあの人の表情、服についた匂い、口調から、「あぁきっとこの人は嘘をついている、本当はあそこへ行ったんだろう」と悟ることがある。そう、我々は普段の生活の中で、知らず知らずのうちに“推理”をしているのだ。そしてその推理力は、普段人の顔色を窺って生きている人物ほど高い。例えばユ・ソルオク。彼女のように、根掘り葉掘り干渉する姑に仕え、日々悩まされている身なら…。
ユ・ソルオク(チェ・ガンヒ)には“警察官になりたい”という夢があった。だが両親を事故で亡くした後に若くして結婚したため、警察官になるための勉強はしているものの、日々の嫁ぎ先とのごたごたで、いつも夢のことは後回し。ただただつまらない毎日を過ごしていた。
だがある日、そんな日常から抜け出せる機会が訪れる。ソルオクは偶然、近所の派出所の“イケメン”新米所長ホン・ジュンオ(イ・ウォングン)を手助けし、スーパーの万引き犯を捕えることに成功したのだ。その抜群の推理力に脱帽したホン所長は、次の事件“バンタン市場ロッカー盗難事件”の調査でも、ソルオクを頼ることに…。
そんな二人の様子を見て、不倫なのではないかと嗅ぎまわる嫁ぎ先の姑たちをかわしながら、犯人探しに邁進するソルオク。市場のロッカー交換の知らせを受けた彼女が、犯人を待ち伏せしようと付近のプリントシール機内に潜伏していると…突然、同じプリントシール機内に男が滑り込んできた。
驚いて思わず逃げるソルオク。待機していたホン所長の元へ走りながら「あいつが犯人よ!」と叫ぶと、男は呆れた表情で「おれは警察だ」と明かした。彼の名はハ・ワンスン(クォン・サンウ)。あらゆる麻薬犯罪者を捕えてきた、自他ともに認める最高の麻薬捜査官だ。彼もまた、この事件の犯人を追って潜伏捜査中だったのだという。
これはただの盗難ではなく、麻薬事件…?ソルオクは、ワンスンとの鉢合わせの際に落としてしまったらしいスマホを取りに行こうと、ひとりロッカーへと戻る。そこに、フードを被った一人の男が…。男(ヤン・イクチュン)はロッカーを開けながら、何かを探している様子だ。この男こそが真犯人だと確信したソルオクは、臆することなく、自分の推理内容を告げながら彼との接触を試みる。
何やら白い粉を手にした男は立ちあがり、ソルオクに向かって刃物を振りかざす。終わりだ、と思った瞬間、ソルオクの目の前に、ワンスンが飛びこんで来て…。