あらすじ
冬は長い。トランペット奏者のヒョヌ(チェ・ミンシク)にとって、人生は常に冬のようだった。
だが木は静かに春を待っていて…。
自暴自棄となったまま、中学校の管楽器部臨時教師として赴任することとなったヒョヌ。古くなった楽器、破れた楽譜、色あせたトロフィーとその箱の数々。
みすぼらしい管楽器部は、今年全国大会で優勝できなければ強制解散しなくてはならず、ヒョヌは子どもたちを率いて希望のない勝負をしなくてはいけなくなってしまった。
優勝を保証することはできないが、だからといって諦めるわけにもいかない。子どもたちの心にある、音楽への情熱をヒョヌは無視できなかった。
そうしていつしか春は、すぐそこまで来ていた。
子どもたちと大会の準備に忙しい日々を送っていたが、ヒョヌの心には昔の恋人への思いが消えないまま。そんな彼の気持ちを丁寧にケアしてくれる町の薬剤師スヨンの気配りに、ヒョヌは春を感じていた。
そうしてヒョヌは、絶えず自分を愛してくれる周りの人々の存在に気付き始め、冬のような人生を過ごしていたヒョヌにも春が訪れようとしていた…