あらすじ
まだまだ市場が必要だった70年代中盤、テソクは二十年以上心の重荷を背負って各市場を放浪する鍛冶屋だ。
次の市場に向かう途中、彼はソウルから来たシニョンという女工に出会う。
父の葬式に行くという彼女だが、葬儀の場には似つかない赤いコートに大きなスマイルのバッジをつけ、どこか足りないように見えた。
テソクはシニョンを、バスに乗れる場所まで連れていくことに。
道の上でテソクは、ずいぶん昔のことを思い出していた。何より愛していた彼の妻、彼女がいた時にはいつも帰っていた小さな家、一番の親友ドゥクス…だが彼の裏切りで十数年間家に帰ることができなくなったのだ。
テソクは記憶の中の“道”を、憎しみと恋しさで歩いていた。
そしてテソクは、シニョンがその仇のようなドゥクスの娘であることを知り、彼女を家まで連れていくために再び道を歩み始めるのだが…