あらすじ
若い母親(イ・テラン)は人生に疲れていた。
夫はずっと昔に幼い二人の子供を残したまま、あの世の中に行ってしまった。
今は夫の友人である陶芸家(チャ・インピョ)の作品活動を手伝い、マートで仕事をしながらやっと生活していた。
衝動障害を持つ長男のイチョン(イ・ソクチョル)と、脳死状態の次男ユチョンを考えると、ついついアルコールに手が伸びてしまうが、酒の力を借りても現実の重さは簡単に減らせない。
そんなある日、病院からユチョンの臓器提供を薦められた。
もう、ユチョンは目覚めることがない…。
息子との別れを受け入れる事ができない彼女は、小さい頃から病弱だったユチョンに元気な体で生んであげることが出来ずに申し訳なかったと自分を責めていた。
そんな母親を見守るイチョンの心にはさびしさが影を落としていた。
イチョンは病弱なユチョンを面倒で疎ましく思っていた。
しかし、ユチョンが病室で横になって目覚めない姿を見ていると、優しくしてあげられなかった後悔から罪悪感にかられる。
罪悪感からユチョンだけを気にする母親にも、不満をぶつけてみたが何も変わらなかった。
そんな時、母親が突然「ユチョンの車椅子を寄贈しよう」と言い出した。
それを聞いたイチョンはユチョンの車椅子を押して家を出てしまう…。
ユチョンの車いすとともに旅する過程で、兄弟間によくある妬み、葛藤そして理解と許しを同時に感じ、イチョンの傷が癒えて行くが…。