ドラマ『新米史官ク・ヘリョン』が韓国で7月17日から放送が開始した。
『新米史官ク・ヘリョン』とは
昨年、ドラマ『私のIDはカンナム美人』に出演したボーイズグループASTRO(アストロ)のメンバー チャ・ウヌと、ドラマ『六龍が飛ぶ』、『ハベクの新婦』などに出演した女優シン・セギョンが主人公を務める。
史官という、朝鮮時代の王のすべての言動を記録していた職業にスポットを当てた同ドラマは、朝鮮初の問題児女性史官ク・ヘリョン(シン・セギョン)と、一度も恋愛をしたことのない王子イ・リム(チャ・ウヌ)のときめきあふれるロマンスを描く作品だ。
女性に厳しかった19世紀
(c)画面キャプチャ女性は、能力があっても隠し、知っていることも口に出さないことが美徳とされ、悪いことも、立派なこともしてはならないという規律を強要していた19世紀の朝鮮時代。
シン・セギョン演じるク・ヘリョンは、この時代を生きていくためにはあまりにも知っていることが多く、知りたいことも、したいことも豊富な女性であった。
恋愛経験皆無の王子
(c)画面キャプチャ王位継承序列2位で、王の命令により宮殿から出ることを許されなかったイ・リムは、“梅”というペンネームで恋愛小説を書きながら青春時代を送っていた。彼にとっても世の中はこの上なく息苦しく、深い宮殿の中に閉じ込められているせいで好きに行動したり、意見を示すこともできなかった。
そのため、想像の中の恋愛で世の中と間接的に疎通をしているのだった。
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こうした窮屈な現実に限界を感じた2人が偶然出会い、恋愛小説なんかには興味を感じられなかったク・ヘリョンは、イ・リムが恋愛小説家“梅”であるとも知らず、お互いの文学観について舌戦を繰り広げる。
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生まれて初めて自身の言葉に対して論理的に言い返す人に出会ったイ・リムは、ヘリョンの無礼さに不快感を覚えるも、頭の中から彼女が離れなくなっていた。
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一方、ク・ヘリョンは「一晩だけ“梅”のふりをして朗読会をしてくれたら、幼い奴婢を解放する」という欲深い士(ソンビ:儒教理念を実現させようとした身分階級の人)の提案を受け、不本意ながら朗読会と偽のサイン会まで開催することになる。この席で、ク・ヘリョンとイ・リムは再会することとなり、彼らの縁は繋がっていくのだった。
放送前から注目を集める
放送前、初めて地上波ドラマの主人公を務め、初の時代劇挑戦で話題を集めたチャ・ウヌは、華やかなルックスで視線を引き付けた。
王室で苦労を知らずに育ち、恋愛小説を書きながら青春時代を送っている世間知らずのイ・リムを、チャ・ウヌは明るく表現した。
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一部のネチズンは、チャ・ウヌの声のトーンが高すぎて没頭し難いとの意見を出していたが、イ・リムがこれから内面の成長を遂げる人物であることを勘案すると、今のトーンがむしろ合っているのではないかと思う。
このドラマは19世紀の朝鮮をそのまま考証したフィクションドラマではなく、史官という職業にポイントを置いたファクションだと考えれば、この当時の王と王子は全員が謹厳で低トーンで話しただろうという固定観念は捨ててドラマを見る方が良いだろう。
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子どもの頃を清で過ごし、帰ってきてからの窮屈な朝鮮でいつの間にかオールドミス扱いを受けていたク・ヘリョンを演じるシン・セギョンもまた、注目を集めた。
制作発表会で、「スカートを履いていても馬より速く走る」と言っていた監督の言葉のように、シン・セギョンはこれまで見せてきた朝鮮時代を背景とした控えめな両班、閨秀(けいしゅう)とは異なり、天真爛漫な女性を演じた。ドラマが伝えたい、朝鮮時代の男女がどのようなものかは細かい説明や退屈な背景設定がなくても、主演俳優を見るだけでも理解できるくらいシン・セギョン、チャ・ウヌの設定と演技は直感的だ。
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